しびれ

10年ぶりに改訂された骨粗鬆症ガイドラインと骨折予防の対策

骨粗鬆症と骨折予防
ookayamaokura

大田区、五十肩、手足のしびれ専門の大岡山院です。

本日は、超高齢化社会を生き抜くためのヒントになる内容です。
今回、10年ぶりに骨粗鬆症のガイドラインが改定されたことによるものです。

ガイドラインを改定する背景には、超高齢社会で、患者数がさらに増加すると予想される骨粗鬆症は、自覚症状がなく治療開始が遅れがちな上に、治療効果を実感しにくいために治療から離脱されることが多い現状があります。そして、骨粗鬆症検診の受診率は全国平均で5%程度にとどまり、骨折後の骨粗鬆症治療さえ行われないケースが少なくありません。課題山積の中、2025年7月末に「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」が10年ぶりに改訂されたということです。

医療機関において、骨粗鬆症の治療は、薬の服用ですが、真面目に予防のために薬を飲み続ける人は多くありません。なぜなら、血圧の薬は、心筋梗塞や脳梗塞という命に関わる病気の予防の為、認識は高いのですが、骨粗鬆症のために命の危険にさらされるという関連付けは直結できないからです。

しかし、骨粗鬆症が進んでしまうと、転倒からの骨折リスクは非常に高くなるだけでなく、骨折のために入院や一定期間寝たきりになってしまうと、身体能力の低下だけではなく、認知症のリスクは急激に高まるため、見逃せない問題となります。

転倒による骨折リスク

現在、高齢者の転倒による骨折で多いのは

  1. 大腿骨骨折
  2. 上腕骨近位部骨折
  3. 橈骨遠位端部骨折
  4. 脊椎圧迫骨折

が代表としてあげられます。

大腿骨骨折

大腿骨は太ももの付け根の骨で、股関節にある足の付け根の部分、この部位が折れてしまう骨折を指します。
大腿骨骨折には2種類あり、太ももの付け根の外側にある骨が出ている部分で起きる「転子部骨折」と、転子部の内側で起きる「頸部骨折」があります。

この骨折は、尻もちをついたり、身体がねじれるようにして転倒することで発生します。
股関節は立ったり、歩いたりする際に体重を支えるため、ひどい痛みが原因で歩行困難に陥ったり、寝たきりになるケースも多く見られます。

大体の場合、体力がある程度あり、麻酔ができる状態なら手術でボルト留めをしたり、人工関節を入れることをしていきます。程度によっては、骨がつくまでそのまま安静にすることもあります。

上腕骨近位部骨折

上腕骨は腕の骨の一つで、この骨が肩関節に近い部分で折れる骨折です。
近位部とは体幹から近い部分のことを意味します。

転倒して肩を直接打ったり、肘や手をついた時に発生します。
この骨折では、腫れや内出血が強く現れたり、痛みがひどくて動かせなくなるといった症状が生じます。

比較的骨がつながりやすいため、保存治療(手術を行わずに自然治癒を促す治療)が選ばれることが多いです。
しかしながら、折れた骨のずれが大きい場合や、骨が砕けている場合は手術が考慮されます。

橈骨遠位端部骨折

橈骨遠位端部骨折

橈骨は肘から手首にかけてある2本の骨のうち、親指側にある骨のことで、遠位端とは体幹から遠い場所、つまり手首を意味しています。

転倒した際に手をついた衝撃で手首の近くを発生する骨折です。
この骨折は高齢女性に多く見られますが、比較的若い人にも発生する場合があります。
治療には二通りあり、骨がずれていなければ保存療法が選ばれ、骨がずれている場合には手術療法が適応されることがあります。

脊椎圧迫骨折

背骨の骨折で、中腰の姿勢になったり、重い物を持ち上げたりした際や、尻もちをついただけでも骨折してしまうことがあります。
また、体重がかかるだけでも、「いつの間にか」骨折することもあります。
自然多発的に骨折が生じることにより、背中が丸くなってしまうこともあります。
コルセットを使用する保存療法が一般的ですが、複雑骨折している場合などは手術が検討されることもあります。

骨粗鬆症治療と骨折の問題点

はじめに少しだけご紹介してありますが、骨粗鬆症の問題点は、治療開始が遅れることと、治療効果がないことで手段がなくなることがあります。

骨粗鬆症の問題点

  • 自覚症状がなく治療開始が遅れがち
  • 治療効果を実感しにくいために治療中断されやすい

そして、改善策は、骨を丈夫にすることと、転ばないことで骨折を防ぐことです。

しかし、問題点にあげた、実質治療手段がないことですが、実は、骨を丈夫にすることと、転ばないようにすることを同時に改善させる方法があります。

骨粗鬆症治療と骨折予防の方法

当院では、すでに転んで骨折した患者さんが、早く骨折を治すために多く来院されます。その治療の際に、骨折予防についてもご紹介しますが、ほとんどの患者さんは、「もうこんな痛い思いは嫌」と予防にも専念される方が少なくありません。

骨折予防の目的は、骨粗鬆症による骨密度の低下と体のバランス能力の低下を改善することです。これが前述した骨を丈夫にすることと、転ばないことにつながります。

ではどうすれば予防できるのか?それは、薬を飲むのではなく、自分で何かをおこなうでもなく、治療に来ていただければ、患者さん一人ひとりに合わせてた治療プランを組み立て、実施することにあります。しっかりとわからないまま薬を飲んだり、運動したりしても中途半端になってしまいます。「今」必要なことを正しくおこなうだけで大丈夫です。

骨を丈夫に、筋肉をたくましくするショックウェーブ療法

転倒に抵抗する力 症例1

76歳 女性患者さん

骨粗鬆症対策

もともと膝の痛みの治療で来院されていた患者さんですが、定期検診で骨密度が68%と医師から言われ、起床時にカルシウムの薬を服用。半年異常飲んでも、胃がもたれるだけで骨密度は上がらず、体調が悪くなっったため中止。

膝の痛みで踏ん張りがきかず、躓いたときに転倒、手首を骨折してしまいました。はじめは、整形外科のギプス固定だけでしたが、なかなか骨がくっつかず、当院で、超音波治療で早期回復しました。もともとの膝の治療に加え、躓いたときに踏ん張る力である大腿四頭筋の治療、リハビリをすることで、筋肉量、筋力が増え、骨にも適度な負荷を加えることに繋がり、骨密度が増加しました。また、足踏み、つま先を上げるトレーニングと、足を上げやすくする治療で、転倒のヒヤリハットが大幅に減少しました。

躓かない努力 症例2

83歳 女性患者さん

以前、躓いた際に右手をつき、骨折した経験があります。そのときは、固定だけで済んでいましたが、今回は同様の怪我で左手を骨折、ボルト固定となりました。ここ数年、躓きやすくなったことと、両手を骨折した影響で未来への不安を感じ、まだ一人暮らしを続けたい思いが強く、躓かないようにしてほしいと来院。細身で背中が曲がっており、治療として、姿勢矯正による正しい重心移動と足を上げやすくして転倒を予防するための治療計画を提案しました。

背骨の並びを確認したところ、いつのまにか骨折を含め5箇所の背骨を折った形跡があり、完全に真っ直ぐにはできませんが、現在のつま先重心過多の状態を回避できるようにと、膝を上げる(足踏みの足を上げる動作)筋肉である腸腰筋の弱さが際立っていたため、大腿前面(ももの前側)と腰に対して軽いショックウェーブで硬くなった筋肉の柔軟性を改善し、集中して腸腰筋の筋肉を意識して使うことをトレーニングしました。腸腰筋は、腰にあるの背骨の前側についているため、腸腰筋の機能を改善することで、腰を伸ばすことにもつながります。

週1回、1ヶ月の治療を続けたところで、足の上がりやすさ、腰が伸びている感覚を体感していただきました。治療2ヶ月経過して、スリッパがすっぽ抜けることも、もともとお持ちの脊柱管狭窄症による足のしびれも軽減、本人は、「坐骨神経痛も良くなって歩きやすくなり、足がスイスイ前に進みます。」とおっしゃられました。

治療3ヶ月後の現在は、90歳までは一人暮らしを続け、デイサービスも断り、近くの公園に散歩することが日課となっています。

骨を丈夫に、筋肉をたくましくするショックウェーブ療法

大田区骨粗鬆症の治療

ここで、おすすめする治療法の一つをご紹介します。その名も「ショックウェーブ」。

ショックウェーブは、整形外科、美容外科、理学療法、スポーツ医学、泌尿器科、リハビリテーション、カイロプラクターおよび獣医学など、幅広い分野で取り入れられ、欧州、北米、南米、中東、アジアなど世界中で使用されている最新機器で、筋筋膜・腱の疼痛緩和に即効性が高く、効率的な治療ができます。

ショックウェーブは、日本語で衝撃波を意味します。衝撃波は、超音速飛行中の戦闘機や、隕石の落下、爆発事故、雷などで発生する圧力波で、大きいものだと窓ガラスを割ったり、建物を吹き飛ばすほどの高エネルギーに達します。これを生体に照射することで様々な治療効果があることがドイツの研究で発見されました。現在では外科的手術をすることなく腎臓結石を体外から粉砕する技術に応用されています。当院では、衝撃波の中でもラジアル・ショックウェーブという安全性の高い低出力衝撃波を使って、筋・筋膜、腱の治療を施して行きます。

衝撃波は、体表面から照射することで、皮膚組織、結合組織、脂肪組織、筋組織骨組織など各組織において様々な影響を与えることが分かっています。

近年では、腎臓や尿路にできてしまった石、尿路結石を砕く治療として経験、または耳にしたことがあるのではないでしょうか?まさにそれがショックウェーブです。高エネルギーの衝撃波を体外から照射することで、メスを使うことなく結石を粉砕する技術として高い治療効果を上げています。

骨粗鬆症を疑う患者さんは、筋肉も硬く、または弱くなっているため、ショックウェーブの刺激を与えることで強くなり、結果として筋肉に柔軟で引き締まった状態にしてくれるため、骨を丈夫にしてくれます。

筋肉が本来の機能を取り戻すことで、躓いた時、踏ん張って体を支えてくれます。万が一転倒して手をついても、筋肉がクッションんの役割をして骨折予防に繋がります。もちろん、骨に加わった衝撃にも、以前より耐えられるようになるため、骨折予防に繋がります。

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五十肩や手足のしびれなど、病院に行ってもなかなか良くならない、原因がわからない症状は、大田区北千束の保険メディカル整骨院、大岡山院までご相談ください。

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