五十肩が痛くて夜眠れない症状の治療

大田区、五十肩専門の大岡山院です。
今回は、寒い冬から春先にご相談が多い「五十肩」についてです。
みなさんの中には、五十肩の痛みで夜眠れないというお悩みを経験している人はいらっしゃいませんか?
五十肩は、もともと原因不明で、慢性的な症状の代表格です。特に、整形外科、整骨院には五十肩の患者さんは少なからず来院され、長期間の治療が必要な患者さんが多い傾向にあります。
五十肩とは

五十肩は、江戸時代の文献でも登場するくらい昔から存在する病気で、主に40歳以上の中高年に発症し、特に50歳代の発症が多いことから五十肩と昔から呼ばれている病気です。五十肩の医学的な正式名称は「肩関節周囲炎」と呼ばれています。肩関節周囲の似たような病気では、
- 外傷性肩峰下滑液包炎
- 腱板炎
- 腱板断裂
- 石灰性腱板炎
- 変形性肩関節症
- 変形性肩鎖関節症
- 肩峰下インピンジメント症候群
などの病気がありますが、病名として正式名称があることにより、五十肩とは区別しています。
五十肩はあくまで、以上のような病気を除外した時に、原因がわからず、かつ五十肩特有の症状があることで初めて五十肩と診断されます。
五十肩の症状
五十肩の症状にはわかりやすい特徴があります。それは
- 夜中になると痛みが強くなる
- 腕が挙がらない
- 腕を動かすと痛みが出る
が特徴的な症状となります。
五十肩は、肩関節周囲の組織が血行障害を起こし、冷えや筋肉の萎縮や関節の拘縮といった慢性的な症状があるため、気が抜ける夜になると痛みが強くあらわれることが多いため、夜痛くて眠れない、痛みで目が覚めてしまう、寝返りを打つ時に痛みでうずくまってしまうなど夜に悪さをしやすい病気となります。
また、五十肩は、肩関節周りの関節や筋肉の動きが悪くなるため、手が挙がりにくくなることで顔や髪の毛が洗えなくなる、エプロンの紐を縛れなくなるなど生活に支障が出てきます。
五十肩でも大掛かりな手術をすることがある
五十肩といっても誰にでも発症する身近な病気かもしれませんが、寝ていれば治る病気でもなく、中には医師から大掛かりな手術を提案されるケースもあるので注意が必要です。
手術は、マニピュレーションといって、肩関節を切り開き、関節に癒着してしまった筋肉を引き剥がす、無理矢理に関節を動かす大変体にかかる手術となります。
しかし、手術という手段もありますが、基本的には他の治療でなんとかなるものです。当院の治療では、治癒まで長期間かかる五十肩をなるべく早く痛くなく、動かせるようになる治療法があります。
五十肩の簡単で効果的なセルフケア
五十肩は、基本的には頑張って動かすことと言われています。とにかく「動かす」ことを根気よく毎日続けていかないと治りません。といっても痛みで動かせないのが五十肩の特徴です。では、そんな時どうすればいいのでしょうか?それは、自分でもできる簡単で効果的な方法があります。
ペンドゥラム・ストレッチ(振り子運動)
簡単で効果的なセルフケアは、とにかくブラブラ揺らすことです。これは、自身の腕の重みだけで腕を振り子のように揺らすことで、関節に負担をかけることなく状態が安定してきます。振り子運動の正確なやり方は
- 立ったまま、体を前に90度傾けて右腕を垂らします。
- 腕を体から小さな円を描く動作を繰り返します。
- 反対方向にも同様に行い、1回20秒ずつ繰り返します。
安全で積極的な五十肩の治療
では、当院の五十肩治療とはどんな治療だと思いますか?
もともと五十肩の回復過程には。
- 急性期
- 拘縮期
- 回復期
と3つの時期に分けられます。
1.急性期
急性期は、症状の発現から増悪する時期で、疼痛性痙縮期とも呼ばれています。
症状は、明らかな原因がなく、段々と漠然とした痛みからはじまります。時にこの痛みは肩の付け根である三角筋と呼ばれる筋肉の付着部に限局することがあります。
痛みは一度あらわれると急激に強くなることが多く、典型的な例では、手を動かした時の痛みはいうまでもなく、何もしていなくても痛みがあり、肘の外側から腕の親指側にまで痛みが拡がることもあります。
また、痛みを避けるあまり、自然と内転、内旋位(肘を曲げて手を胸に当てているような姿勢)をとることもあります。症状がひどい場合、特に夜になると痛みが強くなり眠れない状態で、正常な方の手で患側を支えるようなかばいかたをしてしまいます。
2.拘縮期
五十肩の症状は、急性期を過ぎた後に第2段階の拘縮期となります。拘縮期では、肩を動かした時の激痛や、何もしていなくても痛むといった症状が楽になり、同時に今度は肩の関節が固まって動かなくなる時期となります。今までのような激痛で動かせない時と違い、痛みはなくてもとにかく固まってしまい、動かない状態がだんだんと進行していきます。
この時期の患者さんの訴えは大部分が動かないという運動制限ですが、時に患者さん自身が運動制限を自覚しておらず、運動時痛としてのみ訴えられることもあります。この時期は通常4~12ヶ月続きます。
3.回復期
五十肩の最後の過程は、回復期です。回復期では、関節の拘縮が徐々に改善し、これに伴い痛みや不快感が薄らいでいく時期となります。完全に症状が消えるまでは6~9ヶ月かかることもあれば前後することもあります。特に、運動不足の方、糖尿病など血液循環の悪い状態にある患者さんは比較的治りが悪い傾向にあります。
安全で積極的な治療とは
五十肩は、回復するまでの3段階にわけられるとご紹介しました。ここで問題なのは、病院での治療には限界があるということです。なぜなら、その場しのぎの痛みを止める治療しかないからです。また、よくリハビリという治療がありますが、リハビリ室で働く理学療法士の分野では、炎症がある急性期には患部を触ってはいけない(処置してはいけない)という原則があり、一番治療してほしい痛みや腫れの強い時期に何もしてもらえないということがあります。
また、拘縮期、回復期には、痛みに我慢させながらどんどん動かすリハビリしかできず、つらい治療が待ち構えています。

当院の五十肩治療は、まず急性期から回復期のどの段階でもショックウェーブという衝撃波の機会を使うことをおすすめしています。
ショックウェーブは、日本語で衝撃波を意味します。衝撃波は、生体に照射することで様々な治療効果があることがドイツの研究で発見されました。現在では外科的手術をすることなく腎臓結石を体外から粉砕する技術に応用されています。
当院では、衝撃波の中でもラジアル・ショックウェーブ(Radial Shockwave)という安全性の高い低出力衝撃波を使って、五十肩の影響で固くなり支障をきたしている筋・筋膜、腱の治療を施していきます。ショックウェーブをおこなうことで、痛みが和らぎ、動かしやすくなります。

ショックウェーブをおこなった後は、複雑な肩関節の動きに合わせて、一つ一つ独立した動作を丁寧におこなうことで本来の機能を取り戻すことができます。また、関節の動きは、力を抜き、施術者に委ねて丁寧に動かされることで、関節に負担なく可動域が広がります。その後、今度は自力で重力に負けないように自分で動かしていただきます。
慣れてきたら、最後に生活の中で使う動きをおこなっていただきます。生活の中で使う動きは、何かものを持つ時、力を入れる時が想定されます。それは、五十肩の影響で今までできなかった髪の毛を乾かす動作、これは髪の毛がある頭の高さまで打てを上げることができなかっただけでなく、ドライヤーを持つこともできない、うまく使えないからです。また、近年では、車のハンドル操作ができない、セルフのガソリンスタンドで燃料キャップを開けられないなどの動作も含まれます。
治療の最終目標は、五十肩になる前の生活に戻ることです。出来て当たり前の状態になってもらうようにお手伝いいたします。五十肩でお悩みの方、痛みで夜眠れない方はお気軽にご相談下さい。